コストダウンの第一歩は、過剰施工の排除にあります。しかし、設計士はそこまで考えてはいません。施工会社が建て主に良かれと思えることは、施工会社の勝手に任せてしまいます。まさに施工会社は、お人好しと言えます。技術者の先輩達は図面を穴が開くほど良く読めと言いますが、過剰設計や思い込み設計になっているかも知れない図面をいくら読み込んでも、コストダウンの手掛りは見付け出すことはできません。コストダウンのヒントは図面と現場の相違点にある訳です。こんなに地盛りをしなくてもいいのにとか、この土留擁壁などをせず躯体の一部にすればいいのにとか。あるいは、隣家に接近している窓を出窓にしなくてもいいのにとか。いずれにしても、コストダウンのできる方法は現地検証で見付け出せるものです。このように現地を頭に叩き込みながら、図面を穴が開くほど読み込むのです。次に、図面を見ながら、頭の中にその建物を建てていきます。そうしますと、必ずといって良いほど職人に理解できない箇所が出てきます。職人といわれる作業人には言葉で作業方法を説明してはいけません。必ず「言ったはずが聞いていない」の争いになるものです。人間そうやすやすと自分の非を認めることは難しいものです。図面を勝手に変えてはいけません。そこで設計士と相談です。技術者同士の話合いは図面でするのがルールです。そのために必要なのが施工図です。設計ミスといって争いに必ずなるのは、施工図を携えて設計士と話合いをせず勝手に職人といわれる作業人と話し合ってとか、施工を作業人任せにしてしまうことに原因があるのです。設計士を「特別な人」にしないで欲しいのです。所詮人間ですから、ミスもすれば思い込みもします。設計士の言うことだからといって金科玉条の如く受け入れることは建て主に対して、また会社に対して責任逃れの何者でもありません。
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